もし雪国の生まれだったら、スキージャンプの選手になりたかった。
東京生まれ東京育ちの僕は昔からそう思っていた。
中学の頃からだと思うけど、スキージャンプの中継は必ず見ていた。
昭和60年のW杯札幌大会で、秋元正博選手が鳥人ニッカネン選手を抑えて優勝した試合は特に印象に残っていて、優勝インタビューで涙する秋元選手の姿に心打たれた。
この試合は僕にとってジャンプ好きを決定付けた試合だった。
昭和62年のW杯札幌大会では、それまでW杯で10以内に入ったことのない佐藤晃選手が優勝し、これにも特に印象に残っている試合だ。
その後の長野五輪や北京五輪での日本選手の活躍は勿論感動したけれど、僕の中での印象順位はこの順だ。
勝つだろうと思って見ているのとそうでないのとの違いもおそらくあるのだろう。
大学に入ると、研修所が群馬県の水上にあり、そこから近い大穴スキー場にシャンツェがあって、一度生でジャンプを見たいと思いながらその機会はなかった。
そして、岩手に住むようになり、安代町(現八幡平市)にシャンツェがあることを知り、いつかは生で見てみたいと思いながら、これまでその機会はなかった。
これだけジャンプが好きなのに生で見ていないのは非常に不本意というか、自分のジャンプ熱が足りないと思っていたところに、令和5年に岩手県で7年ぶりの冬季国体が開催されることを知り、明確な目標になった。
しかも、この大会が国体の名称で行われる最後の大会というから記念すべき大会だ。
会場の田山スキー場はJR花輪線田山駅から近いので、ぜひ花輪線に乗っていこうと思って時刻表を調べたら、田沢湖線の1番電車に乗って盛岡に着くと、その4分前に花輪線が出発するという意地悪なダイヤだ。
その次の田山まで行く列車は12時35分発なので、これでは列車は使えない。
花輪線の存続問題を議論する前にもうちょっと利用者の便を考えるべきだと思う。
そこで、八幡平市役所から出るシャトルバスを利用することにした。
国体のジャンプ観戦は初めてなので、競技時間がどのくらいかかるのか分からない。
インターネットで調べても、どのくらいの人数がエントリーするのかも分からなかった。
それに、会場となる矢神飛躍台は、田山スキー場の中腹にあり、どうやって行けばいいのかも分からなかった。
八幡平市役所に電話しで聞くと、「田山スキー場でリフト券を1枚買って乗ってください。210円かかります。下りは無料です。」とのこと。
大会間近になって、エントリー選手のリストがホームページにアップされたので、自分なりに注目選手を下調べしてみた。
成年男子Bに葛西紀明選手、竹内択選手、栃本翔平選手というビックネームがある。
もちろん葛西選手が来るのは楽しみだが、竹内選手は海外開催のW杯の最近の試合でポイントを獲ったばかりで、期待が爆上がりだ。
成年男子Aでは岩佐勇研選手が3シーズン前にW杯札幌大会の2試合を含む4試合でポイントを獲得している実力者だ。
ちなみにお姉さんもジャンプ選手で、今年のW杯札幌大会に開催国枠で出場しポイントを獲得しているから頑張りたいところだ。
また、岩手県勢では東海大学の高橋佳佑選手が詳しく知らないのでチェックしてみたい。盛岡中央高校-滝沢中という経歴なので近場で親近感がる。
少年男子は全く未知の世界だけど、今年W杯組デビューし活躍している二階堂蓮選手も2年前の国体少年組で優勝しており、明日の日本代表を見出すのが楽しみだ。
そういう視点で見てみると、気になる選手が一人いた。
坂野旭飛選手(北海道下川商業高校)だ。
お父さんが坂野幸生さんで、雪印乳業所属の元ジャンプ選手だという。
大会当日は晴天に恵まれ、この時期としては気温も高く、観戦するのには好都合となった。
シャンツェは南向きで、この大会のために助走路が溶けるのを防ぐクーリングシステム導入のため改修工事が行われたばかりで、早速威力を発揮しそうだ。
会場には大勢の観客が集まり、大会の雰囲気が盛り上がった。
矢神飛躍台にこれだけのギャラリーが集まるのは初めてではないだろうか。
競技は少年男子からスタートする。
選手が滑る前に、フォアジャンプとしてジャンプ台の状況を確認するために試し飛びが行われるのだが、女子選手が飛んでいるようだった。
国体ジャンプに女子組がないのは、今のジャンプ情勢を考えると理解できない。
ぜひ、女子ジャンプもやって欲しいと思う。
さて、少年男子の競技に戻るが、下川商業高校の選手は、やはりレベルが違うという印象だった。
そして注目していた坂野旭飛選手は、その中でも段違いだった。
ぶっちぎりの優勝だったけど、2本目などは、最後に飛ぶ坂野選手だけ、あえてゲートを下げて、それでも最長不倒距離を飛んだ。
この選手は近いうちに日本代表として海外で戦うことになるに違いないと思った。
続いて成年男子Bだ。
観客の中には葛西選手目当ての人達が多く、葛西選手の2本目が終わると帰ってしまう人も多かったのは、純粋なジャンプファンとしては理解できなかった。
でも、葛西選手は今回が初めての国体ということで、岩手を選んでくれたことに感謝したいし、大会を盛り上げる影響力はさすがだと思った。
この組で楽しみにしていた竹内選手は棄権ということで残念だったけど、あとで知ったのだが、W杯転戦中ということで仕方ない。
もう一人注目していたのは内藤智文選手。この選手は東京都出身で、長野五輪のジャンプ競技を観戦し、その時感動したのをきっかけにジャンプを始めたという。
雪国出身でなくてもジャンプを始めるという勇気と家族の協力が凄いと思う。
しかも、7位入賞というから、実力もある。
そして、岩手出身の永井兄弟もそれぞれ好飛躍をしてくれて嬉しかった。
生で見ていると、好飛躍した時に選手が発する喜びの声が聞こえるのが楽しい。
最後に成年男子Aで、岩手県出身の高橋佳佑選手が2本目に魅せてくれた。
ヒルサイズ超えの89mを飛び、2本目の3位の記録で、1本目の7位から5位入賞まで巻き返した。
本人のガッツポーズが印象出来で、翌日の新聞には「体験したことのない異次元のジャンプだった」と本人のコメントが出ていた。
実は複合の選手らしいのだけど、純ジャンプに転向したらいいのではと思う。
小林潤志郎選手も複合から純ジャンプに転向して成功したので、可能性はあると思う。
やはり生で観戦して楽しかったし、大勢のギャラリーが田山に来てくれて嬉しかった。
ただ、せっかくこれだけ人が集まったのに、食べ物やお土産を買えるようなコーナーがなかったのは残念だし、地域を盛り上げるチャンスなのに勿体ないと思った。
他の会場にはあるのかもしれないけれど、ジャンプしか見ない人もいるわけだし、他県からもせっかく来てくれているわけだから、例えば県北名物の揚げ餅とか販売すれば売れると思うし、ひっつみ汁とかでも喜ばれると思う。
それに、せっかくジャンプ台も改修工事をしたのだから、毎年何らかの大会をやってくれれば、ジャンプファンとしては嬉しいし、地域の活性化にもつなげられると思う。
例えば、ジャンプ板などなかなか触れることがないので、展示して自由に触れるようにするとか、VRでジャンプ体験できるようにするとか、ジャンプ台の上まで登る体験ツアーとか、ならではの企画がここならできるし、そういうのがあれば大人も子供も楽しいと思う。
ウエブマスター (木曜日, 22 7月 2021 15:34)
昔の列車旅は、移動中も面白味がありました。駅にも「名所案内」の看板があり、駅名表示の下にも「●●郡●●村」とか書いてあるのが好きでした。
白州丸 (土曜日, 17 7月 2021 15:24)
宮城〜岩手〜秋田〜青森と東北縦横断の旅堪能しました。沿線の温泉に入りたい!
画像加工いいですね!!
ウエブマスター (金曜日, 16 7月 2021 23:49)
私が描いたと言いたいところですが、撮った写真を加工したんですよー
でも、文字は女流書家 泉に依頼したものです!
白州丸 (水曜日, 14 7月 2021 16:46)
産業と共に生きた雫駅の歴史が分かります。駅舎のスケッチも良いですが因みに誰のタッチ?
ウエブマスター (土曜日, 13 3月 2021 11:08)
徳永さん、了解しました!
ウエブマスターまでメールいただければ地図を返信いたします!
徳永光保 (金曜日, 12 3月 2021 07:33)
前山の記事 拝見しました。
西和賀方面にこの時期にいけるところを探していたので興味があります。だいたい見当はつくのですが
もしよろしかったらルートの地図をいただけないでしょうか。よろしくお願いします。
ウエブマスター (日曜日, 28 2月 2021 17:38)
chanmikiさん
いらっしゃいませ!
コメントありがとうございます。
日付は更新日でモナドノックは20日にツアーしました。
慣れていないと迷うと思うので、メールいただければ私の地図を送りますよ!
ウエブマスター (日曜日, 28 2月 2021 17:28)
白州丸さん
長いことコメントに気付かずスミマセン
東京は大変ですよね。
ワカサギを食べさせてあげれないのが残念です。
大願成就の次の回、長女と岩洞湖に行きましたが、またしても大漁でした!
岩手は恵まれてますよ!
chanmiki (火曜日, 23 2月 2021 21:07)
初めてコメントします。同じ小学校区、同じピアノ教室だったTです。
数年前からこのブログを見つけて、感動!尊敬!たくさん学ばせて頂いています。
本日23日も、「岩神山から田代牧場へ」を真似っこしようと行ったのですが、雪が少なそうで止め、区界駅2番ホームからの牧野へ行こうかとホームまで行きました。迷って結局、桐の木沢山へ行ったのですが、「モナドノック」を見てびっくり!
でも本日23日じゃないですよね?天気から。
私も単身赴任で106号を使っていたので、北上高地の、しかも地形のプロの記事、とても興味深く読んでいます。もちろん地元雫石のもです!
白州丸 (土曜日, 09 1月 2021 21:04)
コロナ禍で気づく事も多く、人と接せず作業をする一次産業やステイホームで地元を考える機会も多苦なりそれが新しい日常と気づくかもしれません。地元愛と働く人に感謝¡¡
白州丸 (月曜日, 28 12月 2020 11:11)
コロナ禍で始まったこの1年、地表ををすっかり覆ってしまう新雪はしばし巷のゴタゴタも忘れさせてくれます。
白州丸 (木曜日, 10 10月 2019 16:45)
馬愛の結晶でしょうね!優しい表情が印象的です。
ウエブマスター (火曜日, 30 4月 2019 11:10)
徳永様
お久しぶりです!
コメント有難うございます!
丸森良かったですねー
雪もたっぷりで何よりでした。
そろそろクマさんがウロウロしているようです。先日大松倉で足跡を見ました。お互いに気を付けましょう!
いつか、ウロコでご一緒したいです!
徳永光保 (日曜日, 21 4月 2019 20:05)
以前 森林鉄道のツアーでお世話になりました徳永です。本日こちらで紹介されている丸森にうろこテレマークで行ってきました。雪もたっぷり残っていてブナの原生林の雰囲気もよく大変気に入りました。情報参考にさせていただきました。ありがとうございました。
ウエブマスター (日曜日, 22 4月 2018 19:07)
家の前の桜はまだですが、盛岡はすでに満開。テレマークはこれからが良い季節ですよ!
白州丸 (日曜日, 15 4月 2018 15:59)
今シーズンのテレマークもそろそろ終わり?桜も咲き始めましたあ?
ウエブマスター (土曜日, 07 5月 2016 12:18)
白州丸さま
宮古では恒例のuno大会も盛り上がりました!
旧道歩きは発見があって楽しいですね!
白州丸 (木曜日, 05 5月 2016 16:03)
1泊2日の宮古の充実した旅でしたね。女性3名を従え賑やかで大きな天候の崩れも無く良かったです。
白州丸 (日曜日, 06 3月 2016 10:50)
親子の協力、ほのぼのとして少ない成果でも美味しさがギュット詰まっている事でしょう。
ウエブマスター (日曜日, 10 1月 2016 11:41)
白州丸さま
ジムニーで薪運搬!
こういうのって、田舎暮らしならではの楽しさですね!
白州丸 (土曜日, 09 1月 2016 14:13)
有り難いプレゼント、ジムニー大活躍ですね!!
白州丸 (土曜日, 26 9月 2015 17:10)
手を加えた分だけ建物は答えてくれます、又達成感は喜びになるでしょう。
白州丸 (土曜日, 26 9月 2015)
父と娘の縦走、紅葉が綺麗ですね、山ガールも頑張りましたね!!
白州丸 (土曜日, 15 8月 2015 15:52)
見事に蘇りました、15年の歴史がしみ込んだテーブル作業中はいろんな思いも浮かんだ事でしょう。我が家は削って(多分電動鉋?)もらいましたが手作業はご苦労様でした。又新しい家族の歴史(汚れ?)が刻まれる事でしょう。帰ってきた家族もさぞびっくり!!
白州丸 (火曜日, 30 6月 2015 10:19)
テーブル完成おめでとうございます。ここ迄秋田杉を利用できれば樹も喜んでいる事でしょう。無垢板は存在感ありますね!!このテーブルからどんな作品が出来るか楽しみですね
ウエブマスター (日曜日, 17 5月 2015 12:24)
リタイヤじっちゃん様
丸森制覇、おめでとうございます!私はタイミングを逃し、今年は行けず残念でしたが、動画を拝見させていただき、行った気になれました!それにしてもクマにはビックリ!!
リタイヤじっちゃん (火曜日, 12 5月 2015 09:27)
ウエブマスターの丸森ツアー(2013.5.12)でアクセスルートを知ったのは昨年の夏ごろ、それから5月の連休が待ち遠しく長いものでした。途中熊さんの歓迎を受けましたが、楽しく登ることができました。情報ありがとうございました。来冬は須賀倉を頂戴します。(山行記録YouTube”丸森”)
ウエブマスター (水曜日, 29 4月 2015 07:49)
史実探偵さま、コメント有難うございます。なるほど!奥が深そうですねー。
史実探偵:平素人 (日曜日, 26 4月 2015 00:02)
はじめまして^^、ウエブ釜石鉱山で検索訪問しました。ホームのお写真を見て、これが私の広報する、『BC.2001年に地球を半周し東北へ降臨した巨大隕石の核!』 かと思うと胸のたかまりを覚えます。よろしかったら、myブログのカテゴリー;巨大隕石(5) &, 巨大津波(4)へ、どうぞ^^!
小岩 (日曜日, 05 10月 2014 14:24)
シロハヤブサの続編に期待・・豊かな発想に拍手を送ります。
小岩じいじ (日曜日, 05 10月 2014 14:16)
岩手の旅行記は風景写真の見事さと臨場感あふれる文章にいつも感心しています。次号を楽しみにしています。
小岩 (日曜日, 05 10月 2014 14:06)
泉ちゃん堂々の3位入賞おめでとう。又1つ話題ができましたね。来年は優勝目指して下さい。
リタイヤじっちゃん (日曜日, 05 10月 2014 10:09)
体力的に門馬コースは無理ですが、教えていただいた丸森には挑戦させて頂きます。尚、剣ヶ峰山行記録はyouTubeで公開してますがどなたとも知らず貴方の車ときのこ採りの3人には無料出演して頂いでおりますのであしからず。但し誰も見ませんが。(笑)
ウェブマスター (日曜日, 05 10月 2014 00:06)
いやはや!
ニアミスしていたわけですね、リタイヤじっちゃん様!やはり早池峰剣ヶ峰、いい山ですよねー!
今度は、門馬コースにも久々にチャレンジしたいと思っています!
リタイヤじっちゃん (水曜日, 01 10月 2014 18:16)
久しぶりに覗いて見てびっくりしました。9月15日早池峰剣ヶ峰で好青年と交差したことを覚えております。あの時の白髪親父がじっちゃんです。初めて登りましたがいい山でした。
ウェブマスター (土曜日, 07 6月 2014 22:03)
ritzさん、コメント有難うございます!
阿部館山良かったですよ!来年も絶対行きます!その時お会いするかもしれませんね!今後ともこの隠れ家的HPをよろしくお願い致します!
ritz (火曜日, 03 6月 2014 00:16)
はじめまして。
4/13阿部館山の記事拝見しました。素晴らしいところですね。
4月頭に櫃取湿原や青松葉山界隈を歩き(滑り)、斜面や森の雰囲気に感動しました。北上高地は初めて訪れましたが、また行ってみたいと思っています。
これからも岩手の山滑りの記録、楽しみにしています。