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三ッ石山ツアー(2013.3.24)

僕にとって3月の三ッ石山は、外すことのできないツアーの一つだ。

部屋の窓からは、網張スキー場から大松倉山づたいに、三ッ石山に至るツアーコースの全貌が見渡せる。

アップダウンがあり、ステップソーラーにはうってつけのコースだけれど、ザラメにはまだ少し早いこの時期は、変化の

激しい雪質に悩ませられることがある。

それに今回は、愛用の皮革ブーツが壊れたため、歩き重視のライトツーリングブーツというのも不安要素だ。

ブーツに併せて、板も柔らか目の細板、BDポーラスターにした。

今回ご一緒してくれる四五七郎さんとエルプさんもステップソール。

特に、エルプさんは、最近購入したステップソール板での初ツアーだ。

 

8時半に網張温泉スキー場に集合する。

1月のスキー合宿以来、久しぶりの網張だ。

アルペンの競技をするらしい、ビシッとお揃いのウエアーを着た集団やゲレンデテレマーカー、それに三ッ石山を目指す

であろうバックカントリースキーのパーティーなど、朝早くから網張らしいスキーヤーの姿が目立つ。

 

今日は天気も良く風も穏やかで、絶好のツアー日和。

しかし、気温が低いためバーンが固く、第3リフトへ向かう途中のゲレンデ滑りは快適とはいかなかった。

3人ともシールなしでツアーコースに入る。

樹林帯には重い新雪が積もっていてスキーはよくグリップする。

双子峠から岩手山を望む
(双子峠から岩手山を望む)

双子峠までくると、岩手山が大きく、そして荘厳な佇まいを見せてくれる。

秋田駒ヶ岳や八幡平の源太ケ岳も見えるけれど、やはり岩手山の美しさは別格だ。

大松倉山の稜線付近はアイスバーン状態で、三ッ石山山荘への下りが不安になる。

心配は的中し、山荘への下りは、僕はまともにターンが出来なかった。

大松倉山の登り
(大松倉山の登り)
新雪をまとい、真っ白な三ッ石山が美しい
(新雪をまとい、真っ白な三ッ石山が美しい)
大松倉山のハードバーンを果敢に攻める四五七郎氏
(大松倉山のハードバーンを果敢に攻める四五七郎氏)
ダブキャンでこの滑りはさすがです!
(ダブキャンでこの滑りはさすがです!)

それでも山荘に着けば楽しいランチタイムだ。

四五七郎さんも、「これで今日の目的は達成したようなもの」と言っている。

先客が1人いるだけの静かな小屋の中で昼食にする。

食後には、四五七郎さんが手作りのチョコレートケーキを、エルプさんが抹茶をたて、大福餅をふるまってくれた。

快適な小屋の中で、三ッ石山のカフェタイムを満喫する。

確かに、「目的を達したようなもの」というのもうなづける。

あえてのんびりと昼を過ごし、その間に三ッ石山本峰の氷が解けてくれるだろうとの計算だ。

抹茶を立てるエルプ嬢
(抹茶を立てるエルプ嬢)
「茶房三ッ石」本日限定スイーツセット!
(「茶房三ッ石」本日限定スイーツセット!)

たっぷり1時間の昼休みを終え、3人ともシールを付けて、12時丁度に山頂に向けて出発する。

もしも、まだ雪が凍っているようなら、途中で引き返す予定だ。

本峰の稜線は、背の低い木々がエビの尻尾をまとい、白く輝いていた。

東に目をやれば、雄大な岩手山が僕たちを励ましてくれているようだ。

心配していた氷も解け、快調なペースで高度を稼ぐ。

誰もいない山頂には、夏のコースタイムと同じ30分で到達した。

三ッ石山本峰の登り
(三ッ石山本峰の登り)
三ッ石山山頂に到着です!
(三ッ石山山頂に到着です!)
山頂のケルンにて
(山頂のケルンにて)
シンボルの岩場にいるのが分かるかな? 背後には森吉山が美しい
(シンボルの岩場にいるのが分かるかな? 背後には森吉山が美しい)

山頂からは360度のパノラマが広がる。

特に森吉山の眺めが印象的だった。

一通り展望を満喫した後は、いよいよ三ツ石山本峰の大ピステの滑降が待っている。

コース取りや雪質の確認も含め、僕がトップを切って滑る。

氷が解けきらない箇所と重い新雪が交互に現れるようなテクニカルなコンディションだったけれど、それはそれで

チャレンジングで楽しい。

中腹ぐらいまで下ると、次第に雪質も安定し、気持ち良く新雪のターンが決まるようになる。

僕はなるべく長い距離が滑れるよう、良いラインを選び先導する。

春の空気を感じながら、疎林のバージンピステを舞うようにターンする。

このまま止まらずに、どこまでも滑り降りたくなるような、そんな快感を声に発しながら至福の1本を滑った。

三ッ石山のピステでパウダーを巻き上げる四五七郎氏
(三ッ石山のピステでパウダーを巻き上げる四五七郎氏)
そうかと思えばハードバーンも出現し、一筋縄ではいかないのがオフピステ
(そうかと思えばハードバーンも出現し、一筋縄ではいかないのがオフピステ)
この時期に新雪のパウダーを楽しめるなんで、最高! アルテシア
(この時期に新雪のパウダーを楽しめるなんで、最高! アルテシア)
難しいハードバーンも技術でこなす、ダブキャンの四五七郎氏
(難しいハードバーンも技術でこなす、ダブキャンの四五七郎氏)

裾野が広い三ッ石山は、滑り降りたあとも、トラバース気味に登り返して何度もおかわりができるのが特徴だ。

そして、そんな楽しみ方を可能にしてくれるのがステップソールだ。

僕たちは、良いラインを見つけては滑るを繰り返した。

やはり、三ッ石山ツアーは外せないなーと実感する。

ゲレンデまで戻ると、ピステは荒れ放題で、しかも腐れ雪だった。

ダブルキャンバーの2人には辛いコンディションだったけれど、僕はジャンプターン気味にハイスピードで切り抜けた。

帰りは、網張温泉で汗を流し、充実した1日の疲れを癒した。

メローなラインの出現に、夢心地のひととき
(メローなラインの出現に、夢心地のひととき)
カッコ良すぎる四五七郎氏の滑り。これでも細板?
(カッコ良すぎる四五七郎氏の滑り。これでも細板?)
エルプ嬢はエレガントに
(エルプ嬢はエレガントに)
メルヘンチックで快適なパウダーゾーン
(メルヘンチックで快適なパウダーゾーン)
ダブキャン、ステップソールデビューのエルプ嬢も満足の1本で締めくくり
(ダブキャン、ステップソールデビューのエルプ嬢も満足の1本で締めくくり)
コメント: 37
  • #37

    ウエブマスター (木曜日, 22 7月 2021 15:34)

    昔の列車旅は、移動中も面白味がありました。駅にも「名所案内」の看板があり、駅名表示の下にも「●●郡●●村」とか書いてあるのが好きでした。

  • #36

    白州丸 (土曜日, 17 7月 2021 15:24)

    宮城〜岩手〜秋田〜青森と東北縦横断の旅堪能しました。沿線の温泉に入りたい!
    画像加工いいですね!!

  • #35

    ウエブマスター (金曜日, 16 7月 2021 23:49)

    私が描いたと言いたいところですが、撮った写真を加工したんですよー
    でも、文字は女流書家 泉に依頼したものです!

  • #34

    白州丸 (水曜日, 14 7月 2021 16:46)

    産業と共に生きた雫駅の歴史が分かります。駅舎のスケッチも良いですが因みに誰のタッチ?

  • #33

    ウエブマスター (土曜日, 13 3月 2021 11:08)

    徳永さん、了解しました!
    ウエブマスターまでメールいただければ地図を返信いたします!

  • #32

    徳永光保 (金曜日, 12 3月 2021 07:33)

    前山の記事 拝見しました。
    西和賀方面にこの時期にいけるところを探していたので興味があります。だいたい見当はつくのですが
    もしよろしかったらルートの地図をいただけないでしょうか。よろしくお願いします。

  • #31

    ウエブマスター (日曜日, 28 2月 2021 17:38)

    chanmikiさん
    いらっしゃいませ!
    コメントありがとうございます。
    日付は更新日でモナドノックは20日にツアーしました。
    慣れていないと迷うと思うので、メールいただければ私の地図を送りますよ!

  • #30

    ウエブマスター (日曜日, 28 2月 2021 17:28)

    白州丸さん
    長いことコメントに気付かずスミマセン
    東京は大変ですよね。
    ワカサギを食べさせてあげれないのが残念です。
    大願成就の次の回、長女と岩洞湖に行きましたが、またしても大漁でした!
    岩手は恵まれてますよ!

  • #29

    chanmiki (火曜日, 23 2月 2021 21:07)

    初めてコメントします。同じ小学校区、同じピアノ教室だったTです。
    数年前からこのブログを見つけて、感動!尊敬!たくさん学ばせて頂いています。
    本日23日も、「岩神山から田代牧場へ」を真似っこしようと行ったのですが、雪が少なそうで止め、区界駅2番ホームからの牧野へ行こうかとホームまで行きました。迷って結局、桐の木沢山へ行ったのですが、「モナドノック」を見てびっくり!
    でも本日23日じゃないですよね?天気から。
    私も単身赴任で106号を使っていたので、北上高地の、しかも地形のプロの記事、とても興味深く読んでいます。もちろん地元雫石のもです!

  • #28

    白州丸 (土曜日, 09 1月 2021 21:04)

    コロナ禍で気づく事も多く、人と接せず作業をする一次産業やステイホームで地元を考える機会も多苦なりそれが新しい日常と気づくかもしれません。地元愛と働く人に感謝¡¡

  • #27

    白州丸 (月曜日, 28 12月 2020 11:11)

    コロナ禍で始まったこの1年、地表ををすっかり覆ってしまう新雪はしばし巷のゴタゴタも忘れさせてくれます。

  • #26

    白州丸 (木曜日, 10 10月 2019 16:45)

    馬愛の結晶でしょうね!優しい表情が印象的です。

  • #25

    ウエブマスター (火曜日, 30 4月 2019 11:10)

    徳永様
    お久しぶりです!
    コメント有難うございます!
    丸森良かったですねー
    雪もたっぷりで何よりでした。
    そろそろクマさんがウロウロしているようです。先日大松倉で足跡を見ました。お互いに気を付けましょう!
    いつか、ウロコでご一緒したいです!

  • #24

    徳永光保 (日曜日, 21 4月 2019 20:05)

    以前 森林鉄道のツアーでお世話になりました徳永です。本日こちらで紹介されている丸森にうろこテレマークで行ってきました。雪もたっぷり残っていてブナの原生林の雰囲気もよく大変気に入りました。情報参考にさせていただきました。ありがとうございました。

  • #23

    ウエブマスター (日曜日, 22 4月 2018 19:07)

    家の前の桜はまだですが、盛岡はすでに満開。テレマークはこれからが良い季節ですよ!

  • #22

    白州丸 (日曜日, 15 4月 2018 15:59)

    今シーズンのテレマークもそろそろ終わり?桜も咲き始めましたあ?

  • #21

    ウエブマスター (土曜日, 07 5月 2016 12:18)

    白州丸さま
    宮古では恒例のuno大会も盛り上がりました!
    旧道歩きは発見があって楽しいですね!

  • #20

    白州丸 (木曜日, 05 5月 2016 16:03)

    1泊2日の宮古の充実した旅でしたね。女性3名を従え賑やかで大きな天候の崩れも無く良かったです。

  • #19

    白州丸 (日曜日, 06 3月 2016 10:50)

    親子の協力、ほのぼのとして少ない成果でも美味しさがギュット詰まっている事でしょう。

  • #18

    ウエブマスター (日曜日, 10 1月 2016 11:41)

    白州丸さま
    ジムニーで薪運搬!
    こういうのって、田舎暮らしならではの楽しさですね!

  • #17

    白州丸 (土曜日, 09 1月 2016 14:13)

    有り難いプレゼント、ジムニー大活躍ですね!!

  • #16

    白州丸 (土曜日, 26 9月 2015 17:10)

    手を加えた分だけ建物は答えてくれます、又達成感は喜びになるでしょう。

  • #15

    白州丸 (土曜日, 26 9月 2015)

    父と娘の縦走、紅葉が綺麗ですね、山ガールも頑張りましたね!!

  • #14

    白州丸 (土曜日, 15 8月 2015 15:52)

    見事に蘇りました、15年の歴史がしみ込んだテーブル作業中はいろんな思いも浮かんだ事でしょう。我が家は削って(多分電動鉋?)もらいましたが手作業はご苦労様でした。又新しい家族の歴史(汚れ?)が刻まれる事でしょう。帰ってきた家族もさぞびっくり!!

  • #13

    白州丸 (火曜日, 30 6月 2015 10:19)

    テーブル完成おめでとうございます。ここ迄秋田杉を利用できれば樹も喜んでいる事でしょう。無垢板は存在感ありますね!!このテーブルからどんな作品が出来るか楽しみですね

  • #12

    ウエブマスター (日曜日, 17 5月 2015 12:24)

    リタイヤじっちゃん様
    丸森制覇、おめでとうございます!私はタイミングを逃し、今年は行けず残念でしたが、動画を拝見させていただき、行った気になれました!それにしてもクマにはビックリ!!

  • #11

    リタイヤじっちゃん (火曜日, 12 5月 2015 09:27)

    ウエブマスターの丸森ツアー(2013.5.12)でアクセスルートを知ったのは昨年の夏ごろ、それから5月の連休が待ち遠しく長いものでした。途中熊さんの歓迎を受けましたが、楽しく登ることができました。情報ありがとうございました。来冬は須賀倉を頂戴します。(山行記録YouTube”丸森”)

  • #10

    ウエブマスター (水曜日, 29 4月 2015 07:49)

    史実探偵さま、コメント有難うございます。なるほど!奥が深そうですねー。

  • #9

    史実探偵:平素人 (日曜日, 26 4月 2015 00:02)

    はじめまして^^、ウエブ釜石鉱山で検索訪問しました。ホームのお写真を見て、これが私の広報する、『BC.2001年に地球を半周し東北へ降臨した巨大隕石の核!』 かと思うと胸のたかまりを覚えます。よろしかったら、myブログのカテゴリー;巨大隕石(5) &, 巨大津波(4)へ、どうぞ^^!

  • #8

    小岩 (日曜日, 05 10月 2014 14:24)

    シロハヤブサの続編に期待・・豊かな発想に拍手を送ります。

  • #7

    小岩じいじ (日曜日, 05 10月 2014 14:16)

    岩手の旅行記は風景写真の見事さと臨場感あふれる文章にいつも感心しています。次号を楽しみにしています。

  • #6

    小岩 (日曜日, 05 10月 2014 14:06)

    泉ちゃん堂々の3位入賞おめでとう。又1つ話題ができましたね。来年は優勝目指して下さい。

  • #5

    リタイヤじっちゃん (日曜日, 05 10月 2014 10:09)

    体力的に門馬コースは無理ですが、教えていただいた丸森には挑戦させて頂きます。尚、剣ヶ峰山行記録はyouTubeで公開してますがどなたとも知らず貴方の車ときのこ採りの3人には無料出演して頂いでおりますのであしからず。但し誰も見ませんが。(笑)

  • #4

    ウェブマスター (日曜日, 05 10月 2014 00:06)

    いやはや!
    ニアミスしていたわけですね、リタイヤじっちゃん様!やはり早池峰剣ヶ峰、いい山ですよねー!
    今度は、門馬コースにも久々にチャレンジしたいと思っています!

  • #3

    リタイヤじっちゃん  (水曜日, 01 10月 2014 18:16)

    久しぶりに覗いて見てびっくりしました。9月15日早池峰剣ヶ峰で好青年と交差したことを覚えております。あの時の白髪親父がじっちゃんです。初めて登りましたがいい山でした。

  • #2

    ウェブマスター (土曜日, 07 6月 2014 22:03)

    ritzさん、コメント有難うございます!
    阿部館山良かったですよ!来年も絶対行きます!その時お会いするかもしれませんね!今後ともこの隠れ家的HPをよろしくお願い致します!

  • #1

    ritz (火曜日, 03 6月 2014 00:16)

    はじめまして。
    4/13阿部館山の記事拝見しました。素晴らしいところですね。
    4月頭に櫃取湿原や青松葉山界隈を歩き(滑り)、斜面や森の雰囲気に感動しました。北上高地は初めて訪れましたが、また行ってみたいと思っています。
    これからも岩手の山滑りの記録、楽しみにしています。