我が家から見える岩手山や三ツ石山の雪もだいぶ解けた。
しかし、今日は曇りでその姿すら見えない。
でも、気圧配置は問題ないし、ライブカメラでも八幡平は雲の上の様子。
こうなれば、行くっきゃないでしょう!
道具はライトツーリングの革靴にマズフスのダブキャンステップソールでシーズン締めの定番スタイル。
今回は単独行なので黒谷地から源太森の往復で手軽に遊ぼうか・・・
なんて考えていたけれど、天気が良いようならその先の杣角山(1,495m)まで足を延ばすことにする。
杣角山は登山道もない藪山で、まだ行ったことがないエリアだ。
雫石を出て、旧西根町に入ると雲が切れて青空になった。
道端をリスが横切った。
北面の岩手山は残雪が映えて美しい。
アスピーテラインの源太岩まで来ると、雲海の上に岩手山と早池峰山が聳え、その絶景に車を止めてしばし見入った。
黒谷地の駐車場には車が1台しかなかった。
積雪は十分で、この分なら来週でも十分楽しめるだろう。
ツアーコースをショートカットしながら、源太森に通じる稜線にでる。
そこからは八甲田連峰や岩木山が、そして目指す杣角山が望めた。
源太森には黒谷地から30分で着いた。
こんなに天気が良いのに誰にも会わなかった。
源太裏はクラックが多いので、先週同様に少し北に移動して1本滑る。
ライトツーリング革靴にダブキャン板なので、急斜面の滑りは慎重になる。
技術を磨くには持って来いだ。
滑り切ったらトラバース気味に登り返しながら杣角山方面へ北西に進む。
九助沢の源頭部の切れ込みを越えると1,591m峰(通称:北源太)から正蔵沢の源頭部にかけてカルデラのような
広大なバーンが広がる。
トラバース気味に登り返し、雪崩の恐れがなさそうな状態の良いラインを見つけて、2本ほど滑る。
広大なバーンは技術に応じて様々なラインが選べるので、遊ぶには持って来いだ。
その後は北源太と杣角山の鞍部を目指す。
鞍部までほぼトラバースでの移動だけれど、ザックを背負ったまま2本登り返した影響で、身体には少々こたえている。
今日は暑くなることを想定し、水を1.5リットルと昼の焼きそば用にフライパンを背負っているせいもあるだろうか・・・
鞍部から見る杣角山もなかなか良い姿だ。
そして足元には健治郎沢にかけてこれまた美味しそうな斜面が広がっている。
時間はまもなく12時。
腹も減ってきているし、身体もそろそろ大休止したいところ。
このまま稜線伝いに杣角山の山頂を目指しその欲求を満たすか、それに背を向けるように足元の斜面を滑り降りるか・・・
少し迷ったけれど、シーズン締めのツアーとして後者を選択した。
身震いするような斜面は標高差100mを一気に滑り降りる。
ザラメ斜面に気持ち良くターンを刻み、思わず雄叫びを上げる。
杣角山のピステは広大なので、途中まで登り返し、さらに1本滑る。
空腹はそろそろ限界だけれど、滑りは腹一杯堪能できた。
黒谷地往復の単独ツアーでこれほど滑りが充実したツアーは初めてだ。
あとはゆっくりと杣角山山頂を目指し登り返すだけだ。
広大なピステに刻まれた自分のシュプールを目で追う。
眼下には草ノ湯から立ち昇る噴煙が見える。
今日ならスキーを履いたまま草ノ湯まで行くこともできそうだ。
目の前をホシガラスやカケスが度々横切り目を楽しませてくれた。
ようやく杣角山の山頂に着く。
源太森からここまで2時間20分を要した。
山頂に山名板を探したけれど見つからなかった。
眺めは良く、昼食には良い場所だ。
するとどこからともなく2人の登山者がやってきた。
"こんな所で人に会うとは"と意外だったが、テレマーカーだった。
男女のペアで、ともにステップソール。
僕の道具を興味深げに見ていた。
「やっぱりステップソールはいいよね!」と男性
女性は「アゾロですか?」と聞いてくる。
"うーん、この二人、只者ではない雰囲気"と思っていると、「安比自然学校の仕事で、こちらはお客さんなんです」と男性
なるほど、と思っていると、何とこの男性、雫石町の同じ地区にお住まいと判明。
網張でよく滑っているとこのことで、これまで出会わなかったことが不思議なくらい。
マイナーピークでの偶然の出会いにしばし談笑し、お二人はツアー再開。
僕は昼の準備にとりかかる。
今日の昼食は焼きそば。
単独のツアーなので、昼食にはいつもと変化を持たせた。
しかし、作っている途中からポツポツと雨が落ちてきた。
視界は効くものの、秋田方面から灰色の雲が広がってきている。
天気が悪化したら困るので、食後のコーヒータイムもそこそこに、源太森に向けて出発する。
北源太まで来ると雨はやみ、天気は回復した。
源太森までそのまま稜線を進む。
その後はツアーコースを外れ、いつもの“上ピステ”経由で“お立ち台”を目指す。
この2つのピステは今日のハイライトであり、今シーズンのハイライトでもある。
お立ち台からは雪の下から姿を現した黒谷地湿原が見える。
しかし、お立ち台は積雪十分で、あと2週間は楽しめるだろうか。
雪質は良いザラメだ。
杣角山のピステを滑ってきた後で少し小さく思えるお立ち台に、今シーズンの仕上げのターンを刻んだ。
黒谷地駐車場に戻ると、今日の歩行・滑降距離は10kmとでた。
結果的に先週の八幡平頂上から樅山までのツアーに匹敵するスケールで、本当に充実したツアーだった。
ウエブマスター (木曜日, 22 7月 2021 15:34)
昔の列車旅は、移動中も面白味がありました。駅にも「名所案内」の看板があり、駅名表示の下にも「●●郡●●村」とか書いてあるのが好きでした。
白州丸 (土曜日, 17 7月 2021 15:24)
宮城〜岩手〜秋田〜青森と東北縦横断の旅堪能しました。沿線の温泉に入りたい!
画像加工いいですね!!
ウエブマスター (金曜日, 16 7月 2021 23:49)
私が描いたと言いたいところですが、撮った写真を加工したんですよー
でも、文字は女流書家 泉に依頼したものです!
白州丸 (水曜日, 14 7月 2021 16:46)
産業と共に生きた雫駅の歴史が分かります。駅舎のスケッチも良いですが因みに誰のタッチ?
ウエブマスター (土曜日, 13 3月 2021 11:08)
徳永さん、了解しました!
ウエブマスターまでメールいただければ地図を返信いたします!
徳永光保 (金曜日, 12 3月 2021 07:33)
前山の記事 拝見しました。
西和賀方面にこの時期にいけるところを探していたので興味があります。だいたい見当はつくのですが
もしよろしかったらルートの地図をいただけないでしょうか。よろしくお願いします。
ウエブマスター (日曜日, 28 2月 2021 17:38)
chanmikiさん
いらっしゃいませ!
コメントありがとうございます。
日付は更新日でモナドノックは20日にツアーしました。
慣れていないと迷うと思うので、メールいただければ私の地図を送りますよ!
ウエブマスター (日曜日, 28 2月 2021 17:28)
白州丸さん
長いことコメントに気付かずスミマセン
東京は大変ですよね。
ワカサギを食べさせてあげれないのが残念です。
大願成就の次の回、長女と岩洞湖に行きましたが、またしても大漁でした!
岩手は恵まれてますよ!
chanmiki (火曜日, 23 2月 2021 21:07)
初めてコメントします。同じ小学校区、同じピアノ教室だったTです。
数年前からこのブログを見つけて、感動!尊敬!たくさん学ばせて頂いています。
本日23日も、「岩神山から田代牧場へ」を真似っこしようと行ったのですが、雪が少なそうで止め、区界駅2番ホームからの牧野へ行こうかとホームまで行きました。迷って結局、桐の木沢山へ行ったのですが、「モナドノック」を見てびっくり!
でも本日23日じゃないですよね?天気から。
私も単身赴任で106号を使っていたので、北上高地の、しかも地形のプロの記事、とても興味深く読んでいます。もちろん地元雫石のもです!
白州丸 (土曜日, 09 1月 2021 21:04)
コロナ禍で気づく事も多く、人と接せず作業をする一次産業やステイホームで地元を考える機会も多苦なりそれが新しい日常と気づくかもしれません。地元愛と働く人に感謝¡¡
白州丸 (月曜日, 28 12月 2020 11:11)
コロナ禍で始まったこの1年、地表ををすっかり覆ってしまう新雪はしばし巷のゴタゴタも忘れさせてくれます。
白州丸 (木曜日, 10 10月 2019 16:45)
馬愛の結晶でしょうね!優しい表情が印象的です。
ウエブマスター (火曜日, 30 4月 2019 11:10)
徳永様
お久しぶりです!
コメント有難うございます!
丸森良かったですねー
雪もたっぷりで何よりでした。
そろそろクマさんがウロウロしているようです。先日大松倉で足跡を見ました。お互いに気を付けましょう!
いつか、ウロコでご一緒したいです!
徳永光保 (日曜日, 21 4月 2019 20:05)
以前 森林鉄道のツアーでお世話になりました徳永です。本日こちらで紹介されている丸森にうろこテレマークで行ってきました。雪もたっぷり残っていてブナの原生林の雰囲気もよく大変気に入りました。情報参考にさせていただきました。ありがとうございました。
ウエブマスター (日曜日, 22 4月 2018 19:07)
家の前の桜はまだですが、盛岡はすでに満開。テレマークはこれからが良い季節ですよ!
白州丸 (日曜日, 15 4月 2018 15:59)
今シーズンのテレマークもそろそろ終わり?桜も咲き始めましたあ?
ウエブマスター (土曜日, 07 5月 2016 12:18)
白州丸さま
宮古では恒例のuno大会も盛り上がりました!
旧道歩きは発見があって楽しいですね!
白州丸 (木曜日, 05 5月 2016 16:03)
1泊2日の宮古の充実した旅でしたね。女性3名を従え賑やかで大きな天候の崩れも無く良かったです。
白州丸 (日曜日, 06 3月 2016 10:50)
親子の協力、ほのぼのとして少ない成果でも美味しさがギュット詰まっている事でしょう。
ウエブマスター (日曜日, 10 1月 2016 11:41)
白州丸さま
ジムニーで薪運搬!
こういうのって、田舎暮らしならではの楽しさですね!
白州丸 (土曜日, 09 1月 2016 14:13)
有り難いプレゼント、ジムニー大活躍ですね!!
白州丸 (土曜日, 26 9月 2015 17:10)
手を加えた分だけ建物は答えてくれます、又達成感は喜びになるでしょう。
白州丸 (土曜日, 26 9月 2015)
父と娘の縦走、紅葉が綺麗ですね、山ガールも頑張りましたね!!
白州丸 (土曜日, 15 8月 2015 15:52)
見事に蘇りました、15年の歴史がしみ込んだテーブル作業中はいろんな思いも浮かんだ事でしょう。我が家は削って(多分電動鉋?)もらいましたが手作業はご苦労様でした。又新しい家族の歴史(汚れ?)が刻まれる事でしょう。帰ってきた家族もさぞびっくり!!
白州丸 (火曜日, 30 6月 2015 10:19)
テーブル完成おめでとうございます。ここ迄秋田杉を利用できれば樹も喜んでいる事でしょう。無垢板は存在感ありますね!!このテーブルからどんな作品が出来るか楽しみですね
ウエブマスター (日曜日, 17 5月 2015 12:24)
リタイヤじっちゃん様
丸森制覇、おめでとうございます!私はタイミングを逃し、今年は行けず残念でしたが、動画を拝見させていただき、行った気になれました!それにしてもクマにはビックリ!!
リタイヤじっちゃん (火曜日, 12 5月 2015 09:27)
ウエブマスターの丸森ツアー(2013.5.12)でアクセスルートを知ったのは昨年の夏ごろ、それから5月の連休が待ち遠しく長いものでした。途中熊さんの歓迎を受けましたが、楽しく登ることができました。情報ありがとうございました。来冬は須賀倉を頂戴します。(山行記録YouTube”丸森”)
ウエブマスター (水曜日, 29 4月 2015 07:49)
史実探偵さま、コメント有難うございます。なるほど!奥が深そうですねー。
史実探偵:平素人 (日曜日, 26 4月 2015 00:02)
はじめまして^^、ウエブ釜石鉱山で検索訪問しました。ホームのお写真を見て、これが私の広報する、『BC.2001年に地球を半周し東北へ降臨した巨大隕石の核!』 かと思うと胸のたかまりを覚えます。よろしかったら、myブログのカテゴリー;巨大隕石(5) &, 巨大津波(4)へ、どうぞ^^!
小岩 (日曜日, 05 10月 2014 14:24)
シロハヤブサの続編に期待・・豊かな発想に拍手を送ります。
小岩じいじ (日曜日, 05 10月 2014 14:16)
岩手の旅行記は風景写真の見事さと臨場感あふれる文章にいつも感心しています。次号を楽しみにしています。
小岩 (日曜日, 05 10月 2014 14:06)
泉ちゃん堂々の3位入賞おめでとう。又1つ話題ができましたね。来年は優勝目指して下さい。
リタイヤじっちゃん (日曜日, 05 10月 2014 10:09)
体力的に門馬コースは無理ですが、教えていただいた丸森には挑戦させて頂きます。尚、剣ヶ峰山行記録はyouTubeで公開してますがどなたとも知らず貴方の車ときのこ採りの3人には無料出演して頂いでおりますのであしからず。但し誰も見ませんが。(笑)
ウェブマスター (日曜日, 05 10月 2014 00:06)
いやはや!
ニアミスしていたわけですね、リタイヤじっちゃん様!やはり早池峰剣ヶ峰、いい山ですよねー!
今度は、門馬コースにも久々にチャレンジしたいと思っています!
リタイヤじっちゃん (水曜日, 01 10月 2014 18:16)
久しぶりに覗いて見てびっくりしました。9月15日早池峰剣ヶ峰で好青年と交差したことを覚えております。あの時の白髪親父がじっちゃんです。初めて登りましたがいい山でした。
ウェブマスター (土曜日, 07 6月 2014 22:03)
ritzさん、コメント有難うございます!
阿部館山良かったですよ!来年も絶対行きます!その時お会いするかもしれませんね!今後ともこの隠れ家的HPをよろしくお願い致します!
ritz (火曜日, 03 6月 2014 00:16)
はじめまして。
4/13阿部館山の記事拝見しました。素晴らしいところですね。
4月頭に櫃取湿原や青松葉山界隈を歩き(滑り)、斜面や森の雰囲気に感動しました。北上高地は初めて訪れましたが、また行ってみたいと思っています。
これからも岩手の山滑りの記録、楽しみにしています。